「X-MEN ダークフェニックス」公開!X-MENシリーズをサクッと解説&ダークフェニックス所感

f:id:ohassy57:20190616114032j:plain


インフィニティウォーを観るまで、MCUより圧倒的にX-MEN派でした。

最後のX-MENと言われる「X-MEN ダークフェニックス」の公開を控えた今,「ややこしい」「今さら追いかけるのが大変」などと思われがちな本シリーズを簡単に解説してみたい。

 

2002年に公開された「X-MEN」からの3作は、鉄の爪と限りなく不死身に近い強靭な肉体を持つミュータント「ウルヴァリン」を主人公に据えた初期三部作。

人類とミュータントの共生に心を砕く「プロフェッサーX」をリーダーとするX-MENチーム(ウルヴァリンはこちら側)と、人類を見限り、ミュータントによる支配世界を目論む、金属を操る「マグニートー」をリーダーとするチームの争いを描きます。

各キャラクターの能力と、その能力を活かして組み立てられた戦闘アクションが魅力で、特にずば抜けて強いプロフェッサーXとマグニートーはめちゃくちゃカッコいいのだけれど、こんなヨボヨボのお年寄りヒーローも珍しい。

 

世の中的にはヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンが人気なようで、単独スピンオフシリーズも登場。

不死身に近い体なので歳を取るのが遅いウルヴァリンは、実は1800年台半ばにはすでに生まれていて、プロフェッサーXより年上なんですね。

子供の頃に起こった悲劇により能力が開眼し、当時は骨が伸びて爪が飛び出していましたが、後に軍の実験台となり最強の金属「アダマンチウム」を注入されたことでさらに強くなり、みんながよく知るウルヴァリンとなりました。

ウルヴァリン強すぎない?となりますが、鋼鉄の骨格を持つことによってマグニートーには全く歯が立たなくなっているのが絶妙です。

 

そんな、ウルヴァリン誕生ストーリーを描くのが「ウルヴァリン X-MEN ZERO」。

こういったスピンオフものはなかなかうまくいかないものだけれど、この作品はアクションとドラマの塩梅がとても良いし、リアリティラインの引き方も優れていて、その後のシリーズにおける世界観を決定させています。

のちに単独作が生まれる「デッドプール」も登場するし(イメージ全く違いますが)、個人的に最も好きなキャラ「ガンピット」がとにかくイカしてるのでおススメです。

ダークフェニックスで活躍する、若き日の「サイクロップス」も出ます。

こんなこと言うと好きな方には怒られそうですが、続編の「SAMURAI」はパスしても大丈夫。

「LOGAN/ローガン」は、X-MENシリーズのエピローグ的な作品。

とても味わい深くて好きですが、ダークフェニックスの後でも大丈夫だと思います。

 

で、初期三部作から遡ること40年。

60年代の冷戦時代を舞台に、若き日のプロフェッサーXとマグニートーの関係、X-MEN誕生を描くのが「X-MEN ファーストジェネレーション」。

この1作で、スターウォーズにおけるepi1~3のような役割を担います。

個人的にはシリーズ最高傑作です。

ジェームス・マカヴォイもとても良いですが、マグニートー役のマイケル・ファスベンダーの存在感、大物感がとにかく圧倒的。

以降、ダークフェニックスまで続く新シリーズで重要な存在になるミュータント「ミスティーク」を、ジェニファー・ローレンスが演じているのも大きな魅力です。

 

では、新シリーズの最終話となるダークフェニックスは、初期三部作につながるラストなのか?

それがそうとも限らないのが、X-MEN シリーズをややこしそうにしているところ。

原因は、次の「フューチャー&パスト」です。

この作品はタイトルの通り未来と過去を行き来する物語で、ベースの時代は初期三部作の2020年代

ミュータント絶滅の危機を救うため、ウルヴァリンが過去のプロフェッサーXたちの元へタイムトラベルします。

この行為により、マーベル作品特有の時間解釈「別の世界線」が生まれ、新シリーズは初期三部作とは別の未来を歩むこととなりました。

 

こう書くと罪深い作品のような印象になってしまいますが、練られたシナリオや様々なミュータントたちの能力を活かした戦闘、何より新旧のプロフェッサーとマグニートーが1度に拝める、X-MEN の魅力が最も詰まった作品と言えます。

ダークフェニックスは「ゲーム・オブ・スローンズ」のソフィー・ターナーが主演ということでも話題ですが、フューチャー&パストにもピーター・ディンクレジが重要な役どころで出演していますね(そういえばインフィニティーウォーにも出てる)。

 

そして、別の世界線となった新シリーズの次の作品が「アポカリプス」。

最初のミュータント・アポカリプスとX-MENたちの戦いを描きます。

ここでもマグニートーことファスベンダーの魅力が炸裂で、マグニートーの単独スピンオフ作品と言っても差し支えない印象です。

フューチャー&パストからダークフェニックスまで登場する、超速ミュータント「クイックシルバー」も、「エイジ・オブ・ウルトロン」の彼とはまた違って魅力的です。

フェニックスことジーンの力もこの作品で開眼して、最新作に繋がるわけですね。

 

先日ダークフェニックスを観終えた立場としては、これまでの流れを全く何も知らない状態では楽しむのはなかなか難しいように思いますが、前述の通り初期三部作とは別の世界線となっているため、そこまで遡って視聴する必要はないかもしれません。

しかしながら、ファーストジェネレーション以降の新シリーズをしっかり楽しむには、やっぱり初期三部作を知っている方が良いのも事実。

MCUよりは少ないですが、スターウォーズよりは多いくらい。

判断に迷うところですね。

もし僕がアドバイスを求められたら、初期三部作をテレビなどで観ていてなんとなくキャラクターを知っているのであれば、新シリーズを観ておけば問題ないと答えるかなあ。

どちらかと言えば、デッドプールは全部見ておいたほうが楽しいですね。

 

もし僕がアドバイスを求められたら、初期三部作をテレビなどで観ていてなんとなくキャラクターを知っているのであれば、新シリーズを観ておけば問題ないと答えるかなあ。
どちらかといえば、デッドプールを楽しむなら全部見ておくと良いですね。

X-MENは、望まない力を得てしまい苦悩する「弱者(マイノリティー)」の物語。
普通でありたいと願い続けながらも叶わず、世間から差別を受けてしまうことで、否応無く人類の敵になってしまうという悲しみを背景にもつヴィランと、同じ立場のミュータントとして、その悲しみをわかりすぎるほどに理解しながらも、希望を失わずに強く生きようと戦い続けるヒーローたち。
十分に理解し合いながらも、反目せざるを得ない世界の遣る瀬無さ。
他のヒーロー作品とは根本が違います。

その葛藤と哀愁を抱えたキャラクターたちこそが本シリーズの最大の魅力であり、そういう意味ではアポカリプトは「らしくない」キャラクターでした。
あまりに圧倒的すぎて自分でもコントロールできない力を得てしまったダークフェニックスこそはその際たる存在で、シリーズのラストを飾るにふさわしいキャラクターだったのでしょう。

#最後のX-MEN #X-MENダークフェニックス